池井戸ドラマ対決は「半沢直樹」に軍配、決め手は“過剰演出” [ドラマ「半沢直樹」]

池井戸ドラマ対決は「半沢直樹」に軍配、決め手は“過剰演出”
日刊ゲンダイ 7月18日(木)10時26分配信

<専門家が絶賛するTBS「半沢直樹」>

 直木賞作家、池井戸潤の小説を連続ドラマにしたTBSの「半沢直樹」(日曜21時~)と
NHKの「七つの会議」(土曜21時~)。どちらもサラリーマンの苦闘を描いた話題作だが、
2回目で視聴率が20%を超えた前者(平均21.8%=ビデオリサーチ調べ、
関東地区)に対し、後者は初回が6.1%。明暗がクッキリと分かれてしまった。

 専門家も「半沢直樹」に軍配を上げる。作家の麻生千晶氏は、
「久しぶりにTBSがやる気を出したドラマ。今クールで一番」と評価する。

 メガバンクの融資課長が内外の敵と立ち向かう物語。
主人公の半沢を演じるのは、「リーガル・ハイ」の
変人弁護士役が記憶に新しい堺雅人(39)だ。

「背が高いわけでも美男子でもない。

大スターとしての要素は備えていないのに、
醸し出される雰囲気は、ほかの役者と全然違う。

独特のオーラがあるのです。

演出も彼の力を最大限に引き出すのに成功している。

半沢が本店の会議室で審査や人事の上役を相手にまくし立てる場面は、
真っ正面からのドアップで、迫力あるシーンに仕上げていた。

キャストも気が利いています。国税局の統括官を演じる片岡愛之助、
支店長演じる“ミュージカル界の貴公子”の石丸幹二。

敵役の2人が、いい味を出しています」(麻生氏)


 視聴者構造の変化にも対応している。ドラマ評論家のこうたきてつや氏が言う。


「最近は、オジサン視聴者のオバサン化が始まっているのではないでしょうか。

バブル世代やロスジェネ世代の女性は相変わらず元気ですが、
男性は疲れている。

“ちょっと一杯”の軍資金もなく、そそくさと自宅に帰り、
オバサンのようにドラマを見て暇をつぶす。

そういった人たちが求めているのは、感情移入ができる武闘派エン
ターテインメント。“倍返しだ”の決めぜりふは、時代劇やヤクザ映画のようですが、
見る側は痛快です。

だから、現実の世界をそのまま描こうとしていない。

国税庁の職員に隊列を組んで行進させたり、
妻役の上戸彩に“負けんじゃねえぞ”と言わせたり。

意図的に劇画化している。だれも半沢のように振る舞えません。
視聴者も十分に知っているだけに、フィクションはフィクションとして楽しみたいのです」

<生真面目が裏目に出たNHK「七つの会議」>

 一方、NHKの「七つの会議」は厳しい評価だ。

中堅電機メーカーを舞台にした内部告発がテーマだ。

主人公は東山紀之(46)で、業績を上げられずに苦しむ平凡な営業課長を演じている。

「これまでの企業ドラマは、サラリーマンの葛藤をシリアスに描くのがお約束でした。

『七つの会議』も、生真面目に企業の内部を
描写しモラルや人間模様を映し出しています。


ただ、それでは今の視聴者は憂さを晴らせない。

ドラマを見ても、“確かにそうだよね”と思うだけです。

“企業や組織内での葛藤”の次に“留飲を下げる憂さ晴らし”が
ないと受け入れがたいし、救いがありません」(こうたき氏)

NHKらしく、映像は凝っている。それも今回は裏目に出た。


「淡いブルーの薄暗い画面は気取っていますが、
見る側の気持ちまで重くしてしまう。

眉間にしわを寄せて悩んでいる主人公の姿も、
シリアスですが面白みがない。

ドラマ『カラマーゾフの兄弟』でも力を見せつけた吉田鋼太郎が、
悪に足を突っ込んだ陰のある役で見応えのある演技をしているだけに、
なんとも残念です」(麻生氏)

原作はどちらも面白いだけに、演出の力量で差がついた格好である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130718-00000001-nkgendai-ent

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